導入事例
導入事例
国内航空輸送事業 ほか
取材内容は取材当時(2020年10月)のものです。
当社ヤマトシステム開発(以下、YSDと)同じヤマトグループのグループ会社のヤマトグローバルエキスプレス株式会社様(以下、YGX)、国内航空輸送部門として長年スピード輸送に取り組み、培ってきた豊富なノウハウをベースに、全国のネットワークを駆使して業界内でトップを争うシェアを獲得しています。
また、近年は輸送に限らず、輸送の効率化・スピード化、特殊輸送等の様々なニーズに応じた付加価値サービスを提供し、輸送システムをカスタマイズすることにより、物流イノベーションを推進しています。
今回は、IT戦略担当の一美様(IT担当)、財務戦略担当の五十子(いがっこ)様(財務担当)、東日本事務管理センターの池田様(経理担当)、関東主管支店の横山様(関東エリア担当)にお話を伺いました。
当社では、お客様へお届けするお荷物の輸送品質をさらに向上させるべく、以前よりさまざまな挑戦を行ってきました。その一つが輸送品質のモニタリングです。
しかしモニタリングのためのデータ収集や加工などは人の手で実施しており、なかなか効率が上がらず労働時間の増加や人為的なミスにより成果物の品質にばらつきが生じていたのが現状でした。そこでまずは、YSDの支援のもとその作業のRPA化に取り組むことで、一定の成果を上げることができました。
さらに、同様のデータ収集や加工などのRPA化を水平展開しようとしたものの、RPAのシナリオ構築を外部委託費用やスピード感に対する課題に直面してしまいました。今回その課題を解決すべく、勉強会を通じてRPAに関する知識やスキルを補い、RPAの内製化を加速させる取り組みが始まりました。
例えば、荷物の取り扱い数をデイリーで把握するための集計する業務です。その日の取り扱い数を集計し、各主管へ配信し、現場には夕方までにお伝えをする事です。
日々決まった資料を作成するためRPAには非常に向いていました。最初は2業務でRPAを開始しました。
実際には月間で30時間の業務時間を削減する事が出来たため、RPAは効果があると社内で判断し、2019年には他の業務も含めて、RPAの保守やメンテなどYSDに業務委託を行いました。
しかし、外部委託はシナリオの要件定義からプログラミング、テスト、リリースなどのプロセスをふむため、それなりにコストも掛かります。出来る限り、もっと自分達で出来る事を実行していければ、コストも抑えられるのではないか、そこで2020年からはワーキンググループを立ち上げて、自分たちでRPAが出来るか検討を開始しました。
そこで、グループ会社でITを担当しているYSDに相談し、RPAとは何かという基本的な部分からRPAのシナリオ作成が出来るようにスキルアップを目指した勉強会を始めたのが、最初のスタートとなりました。(IT戦略担当 一美様)
財務部門のRPA化の内製を担当しています。最初は、RPAと自分達で作れるのだろうかと不安でした。
以前からRPAに興味がありました。事務管理センターの業務はアナログな部分も多く、繰り返しの作業によって、多くのマンパワーが掛かっていました。ここをどうにかしなければコスト改革には繋がらないと考えていました。
業務をスリム化していく事が目的の一つでしたので、主管の中では最初に業務の棚卸を行い、RPAに向いている業務の選定を行いました。また、属人化していて担当者がいないと業務が滞ってしまうものや、人が配信するのではなくRPAによって人為的なミスを防げる業務も取り組んでいけると考えました。
内製化するにあたって、プロの方のご指導は必須だと感じています。 通常だとe-ラーニング等で概要を学び、一般的な業務のシナリオを作って学習するという方法かと思います。 それだけでは自分の業務に置き換え活用することは非常に難しく、やはりプロの方から直接アドバイスをもらってRPAを作成していけるのはありがたい事でした。
以前から、自分自身でVBAを習って、Excelの中の自動化に取り組んでいました。Excel以外にも自動化出来ればと考えていた矢先にRPAの話があったため、どんどん吸収していく事が出来ました。サポートが良くモチベーションも下がらずに取り組めている事は非常に良かったと思っています。実際に削減効果も実感しており、お客様に送っている請求書をデータで送る業務はRPAによって、月間64時間の業務が14時間程度まで削減できました。
RPAという名前は知っていましたが、実際には何が出来るのだろうという事からスタートしました。部署を越えて、皆でシナリオを共有しながら勉強して、他の業務を知る事も出来ましたし、似ている他の業務であればお互いにいいところを共有したりと非常に勉強になっています。
財務部門の業務は考える事が多いですが、それでもまだ作業している業務はあります。それらをRPA化していきながら、もっとお客様の事を考える時間を増やしていきたいと思います。現在は、アナログで対応している作業をRPA化していきたいと思います。
RPAによって、人とロボットの仕事のすみ分けをする癖がついてくると思っています。これからは事務管理センターで行っている業務についても担当者がやるべき業務とロボットがやるべき業務の切り分けをしていきたいです。グループの再編によって業務内容も変わってくると思いますので、RPAでより効率化していく事はゴールでなく通過点として取り組んでいきたいです。
YGX全国5主管の全ての業務を棚卸しRPA化することで、更なる効率化を目指していきたと思っています。RPAはそのための一つの手段ですので、担当者がやるべき業務とロボットがやるべき業務をしっかりと切り分けて取り組みたいです。
所属・役職等は取材当時のものです。
ヤマトグローバルエキスプレス株式会社 様
2007年(平成19年)
東京都港区浜松町2-6-2 浜松町262ビル 6階