導入事例

導入事例

株式会社西日本シティ銀行(以下西日本シティ銀行)様は、2004年10月1日に西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して誕生しました。九州・福岡を中心に地域経済と社会の発展に貢献されています。「お客さまと地域の発展なくして西日本シティ銀行の発展なし」との信念の下、高い志と誇りを持って時代の変化に適応し、お客さまとともに成長する九州No.1バンクの実現を目指しています。今回は、IT統括部 主任調査役の境様、IT統括部 調査役の田中様、IT統括部の野上様へお話を伺いました。

IT統括部では、西日本シティ銀行(以下「当行」と記載)の従業員が使用するパソコンや、店舗窓口でお客様がご利用になるタブレット端末等のIT資産の管理を行っています。これら端末の設定(キッティング)についても以前は行内で対応していました。新規・修理合わせて通常月は140から150台程度、人事異動が発生する月はそれ以上の対応が必要となるため、そこにかかる人的リソースと時間に課題を感じていました。人的リソースで言うと、キッティング業務には3名の専任の従業員で対応しており、キッティングにかかる時間は依頼を受けてから現場に届けるまで1週間はかかっていました。
我々IT統括部の本業は、当行内のITに関する企画立案と実行です。ただでさえ人材確保が年々難しくなる中、人的リソースを単純作業であるキッティング業務ではなく本業に割きたいという思いがありました。併せて、業務の属人化も課題として感じていました。
また、当行では現在『西日本シティ銀行本店本館建替えプロジェクト』が遂行中です。当行保有ビルの連鎖的再開発の第一弾として、西日本シティ銀行の本店機能に加えオフィスフロアや商業店舗を配置した複合ビルを計画しています。IT統括部も2026年には入居予定ですが、そこには現状キッティングに使っているようなスペースが確保できないことが分かっていました。
これらの課題を踏まえ、2023年の秋頃からキッティング業務の委託について検討を開始しました。
委託にあたって懸念していたのが輸送費です。他社に委託するとなると、行内での対応と違い、各店舗と委託先間の輸送費が新たに発生することになってしまい、コストメリットが出しづらくなります。その点についても、当行の既存の行内便(ルート便)にヤマトシステム開発の九州内の拠点を追加することで、コストを抑える提案をしていただきました。これが決め手の一つになり、2024年4月から委託を開始しました。
そもそも九州にヤマトシステム開発のキッティング拠点がなく、当行のために新たに運用環境を準備いただいたことに感謝しています。地域の金融機関であるため、業務委託をするにしても地場の環境がベストであると考えています。課題であるキッティングにかかる時間を解消するにしても、九州外のエリアに輸送するとなると反対に時間を費やしてしまいます。
また、重要なIT資産を扱う業務のためセキュリティも非常に重視していたのですが、当行専用エリアを設け高セキュリティな運用をしてくれています。このように当行の課題や事情に寄り添った運用設計をしてくれた点を評価しています。
野上様
導入後は月200台程度のキッティングを行っています。効果としては、まず人的リソースの面で従前キッティング業務に専任として従事していた3名が現在別業務に従事する形で本業回帰できた点が大きな収穫です。
また、キッティングにかかる時間については、依頼を受けてから3営業日以内に完了できるようになりました。委託以前は最短でも1週間かかっていたことを考えると、キッティングにかかる時間は半分以下に短縮できています。従業員にとって新たな端末類をすぐ手配してもらうことや、故障した端末をすぐ修理してもらうことは当たり前のことですが、実際に業務を担当している者からすると大きな進歩と感じています。

境様
キッティングはIT資産管理、PCライフサイクルの一部でしかありません。今後当行では大規模なパソコンの入替も計画しており、旧端末の廃棄についてもヤマトシステム開発へ相談できればと思っています。そして将来的にはPCLCM全体の最適化を図れればと考えています。
取材:2025年3月実施。記載の内容は2025年3月時点のものになります。