導入事例
導入事例
第一スマート少額短期保険株式会社さま(以下、第一スマート(敬称略))は、<「あなたらしく」をスマートに!>をミッションに、第一生命保険株式会社の100%子会社として、2021年3月に開業しました。
第一スマートは、人々の価値観が多様化した現在において、特にミレニアル世代やZ世代といった未来を担う方々の「自分らしい」ライフスタイル実現を応援しています。「スマート」の言葉には、必要な時に必要な分だけといった価値観に寄り添い、そのニーズに合わせた保険商品を、シンプル・簡単・スピーディに、デジタル完結で提供していきたいという思いが込められています。
今回は、サービス企画・開発ユニット ユニット長の福辺さまへお話を伺いました。
スマートフォンの普及から始まり、最近では生成AIが注目されるなど、ここ十数年の間、デジタル化の波は留まることを知りません。そのような時代の変化に伴い、お客さまの保険に対するニーズも多様化してきており、保険業界においても、そういったニーズに対応していく柔軟さが求められています。第一スマートは、そのようなニーズにお応えすべく、保険の申込みから保険金の支払いまで、全てデジタルで完結する顧客体験を提供しており、ミレニアル世代やZ世代の方々が「自分らしい」ライフスタイルを応援できるような保険商品やサービスを提供することを目指しております。
第一スマートでは、第一弾の商品として、開業当時、新型コロナウイルスの感染が拡大していた状況や、感染を不安に感じられるお客さまの声を踏まえ、2021年4月から「特定感染症保険」の販売を開始しました(現在販売停止)。その後も、時代に合ったお客さまのニーズにお応えすることを第一に考え、2022年には、旅行を安心して予約いただきたい思いから生まれた「航空券キャンセル費用保険」、子育て世代の家事・育児の負担を和らげることを目的とした「家事代行費用保険」を販売しました。また、2023年には若年層向けのちょうどいいスマホ医療保険として開発した「みまもリスク」、旅行需要の回復が鮮明になってきていることから国内旅行などを幅広くカバーする「トラベルキャンセル保険」を販売開始するなど、時代に応じた多岐に渡るニーズにお応えできる商品を取り扱っております。
なお、当初、第一スマートでは、保険金の支払手段はお客さまの指定した銀行口座への振り込みのみ取り扱っておりました。保険会社からお客さまの銀行口座への振り込みは、一般的な支払手段ではありますが、お客さまにとっては、口座への着金まで数日間待つ必要があることや、保険金を利用するには、ATMから現金を引き出す必要があるなど、CX・サービス品質の観点から課題として認識しておりました。
そこで、第一スマートでは、「一日も早く保険金をお支払いし、引き出しに行くご負担をかけずに保険金を速やかにご利用いただきたい」「キャッシュレスでスマートにお客さまに保険金をお届けしたい」という思いから、ヤマトシステム開発さま(以下、敬称略)が提供するマルチバリューチャージサービスを通じ、日常生活でよく利用されるようになった電子マネーなどのキャッシュレス決済サービスによる保険金の支払方法の導入を検討し始めました。
検討当時は、保険業界では保険料の支払手段(お客さまから保険会社への保険料支払)には、クレジットカードなどキャッシュレス決済が導入されていましたが、保険金の支払方法として電子マネーをはじめとするキャッシュレス決済手段を取り扱っている会社はほとんどありませんでした。
ヤマトシステム開発のマルチバリューチャージサービス(以下「当サービス」と記載)は、インターネットで検索して知りました。当時、キャッシュレス決済といえば、個人間の送金やショップでの購買利用など、個人利用が普及している段階だったため、企業から個人への送金をキャッシュレス化でき、さらに複数のキャッシュレス決済手段に対応している当サービスを見て、驚いた記憶があります。まさに、我々のミッションにある「あなたらしく」「スマートに」を実現できるサービスだと感じました。
個別にキャッシュレス決済手段の提供事業者と接続する方法もありますが、第一スマートにかかる開発コストや保守・運用などの管理負荷が大きいことから、断念しておりました。この点、当サービスは、ヤマトシステム開発がハブとなって各決済事業者とつながっており、第一スマートは送金データをAPI連携するだけで利用できたため、想定していたよりもスムーズにお客さまに提供することができました。
第一スマートの保険は、申込みから保険金の支払いまで、すべてデジタルでサービスを提供していることから、APIでの接続が可能な当サービスとの親和性が高いことも大きな決め手になったと考えています。第一スマートのミッションである「あなたらしく」「スマートに」の実現に向けて、新しいことに積極的にチャレンジしようという前向きな気持ちで当サービスの導入を決定したことが思い出されます。
これまでは、保険金を受け取る場合、現金が銀行口座に振り込まれ、実際の利用にあたっては現金を引き出す、もしくは電子マネーなどに入金して利用するというユーザー体験が一般的でした。しかしながら、時代の変化が早く、ここ数年の間に、キャッシュレスでのお金のやり取りが当たり前になった昨今の状況から、銀行口座だけでなく利便性の高いさまざまな電子マネーで直接受け取りを希望されるお客さまも増えてきていると感じておりました。
当サービスを導入して1年半以上経過しましたが、多くのお客さまにご利用いただき、「保険金支払いのメールを受け取ったら、即時に電子マネーが着金されていた。」「すぐに必要なモノの購入に利用できるので便利」など、利便性の高さに関するご満足の声を頂いております。第一スマートでの保険金支払いが確定した瞬間に、お客さまが選択した電子マネーに保険金額がチャージされ、その場で電子マネーとして利用できることは、保険会社の提供するサービスとして新たなCXの変革に繋がる取り組みだと思います。
第一スマートはミレニアル世代やZ世代の方々が「自分らしい」ライフスタイルを実現するため、今後も、時代の変化に合わせて、お客さまの多様なニーズやライフスタイルに合った保険商品を展開していく予定です。そこに当サービスも組み合わせることで、デジタル完結が当たり前となっている"ミレニアル世代"や"Z世代"の価値観に寄り添い、新たなCXを提供してければと思います。
ヤマトシステム開発の担当の方には、導入時に細かい点を含めさまざまな部分でサポートしていただいたことも多分にあり、非常に感謝しています。
今後も、より多くのお客さまに保険を通じて当サービスを体験いただき、第一スマートの商品に加入してよかったと思っていただけるよう努力して参ります。
所属・役職、サービス名などは取材当時のものです。