導入事例
導入事例
コンサルティング、機器販売、ソフトウェア開発等
・J-SOX法による内部統制強化
・堅牢なセキュリティを実現
・人件費と倉庫費用を2割コスト削減
ヤマトシステム開発の「セキュアトレースサービス」を導入。 それまで全国の各拠点で個別に行っていた証憑(しょうひょう)管理業務を事務センターに一元化。 安全管理のほか、必要な証憑のスムーズな出庫も実現。大幅な効率化にもつながった。
富士通マーケティングは、富士通グループの中核企業として中堅民需市場に向けたICT化を積極的に推進している。
業務上、多くの取引先と交わす契約書や注文書・検収書等の証憑類は膨大であり、その数は毎月約1万8000件にも達する。
同社ではこれまでその管理を、全国38拠点それぞれで個別に行っていた。
それがファイリングセンターを立ち上げ、集中的に一元管理することになったのは2009年12月のことだった。
背景について同社ファイリングセンター担当部長の田中孝一氏は、次のように語る。
「企業の内部統制の質を高めるJ-SOXの導入に伴い、監査法人による監査業務が厳格化したことが大きな要因です。出し入れ等を含めた管理を各拠点任せにしていてはとても対応できないため、一元管理に踏み切ったのです」(田中様・以下同)
証憑類は取引を証明する重要なエビデンス(証拠)ではあるが、一元化するにしても、実際には証憑を保管するキャパシティの問題があり、アウトソーシングせざるを得ない。
そこで富士通マーケティングでは、ヤマトシステム開発を含む3社に声をかけ、相談を持ちかけたのだった。
「パートナー選定の決め手として考えていたのは、高セキュリティ環境の実現、運用実績、柔軟性、コスト等のポイントです。いずれにおいてもヤマトシステム開発が優れていて、スムーズにお願いすることになりました」ヤマトシステム開発の提案した基本的な仕組みは、次の通りである。
全国38拠点で毎週一回、契約書等の証憑が回収され、ファイリングセンターに集められる。
ファイリングセンターでは、配送に使われた「e-ネコセキュリティBOX」を開錠して原本に間違いがないかを確認。
拠点別に証憑をスキャンしてファイリング後、ヤマトシステム開発関連の倉庫に預ける。
そこでは証憑をロケーション管理して、必要に応じた出庫請求にも対応。一定期間後は、溶解廃棄を行う。田中氏が大きなポイントとしてあげた一つが、セキュリティだ。
「証憑を保管する倉庫は、ハロンガスによる消火設備を導入していました。他社はスプリンクラー。証憑は紙ですので、水をかぶらないというのは重要なことでした」
セキュリティ面でもう一点、「e-ネコセキュリティBOX」も重要だった。
金融機関でも利用されているほど、堅牢なセキュリティを実現するこの「e-ネコセキュリティBOX」。
証憑類の運搬用に使われるが、カギの開閉はGPS等とも連動しており「いつ、どこで、誰がカギをかけたか、開けたか」がすぐにわかるシステムだ。
「昔は紙の封筒に入れ、表書きのメモをつけて、社内便としてやりとりしていたものでした。"送ったはず""受け取っていない""どこにあるかわからない"といったトラブルも少なくなかったですね。現在ではそのようなことは許されませんから、搬送上の堅牢なセキュリティはぜひとも必要でした」
そもそも田中氏がヤマトシステム開発に相談を持ちかけるきっかけとなったのが、ネット上で「e-ネコセキュリティBOX」を見つけたことだったそうだ。
保管後、会計監査等で原本が必要なった時は、すぐに倉庫でピッキング。やはり「e-ネコセキュリティBOX」を使用して、送られてくる。
「自治体等、公共的な入札の場合、過去の実績を証明することが求められます。そんな時も同じような案件の契約書を出してもらえば済みます。以前は担当者が自分のネットワークを使って各拠点に電話し、"こんな案件はやったことがないか"と聞き回っていました。そうした無駄もなくなると期待できました」
実際に富士通マーケティングに向けて「セキュアトレースサービス」が始まったのは2010年4月。当初、地方拠点からは月に1度の集荷の予定だったが、すぐに前述の通り週1度に増えた。それほど証憑類の数は多かったのである。
「各拠点では、今まで証憑類を入れていたロッカーのスペースが空いたと喜んでいます。もちろんその管理の手間も大幅に省力化できました」
具体的に計算してみたところ、6人月分の作業削減ができ、倉庫費用等も含めれば年間で数百万円のコストダウンにつながったそうだ。
「サービスの柔軟性も魅力の一つですね。現在、スキャニング作業は我々で行っていますが、いずれそれもアウトソーシングしたいと考えています。その上で我々はより上流の工程に集中したいですね。さらに我々の取引先に対してもこのサービスを組み込んだソリューションを提案していきたいと思います」
証憑類であるだけに、万が一にも漏洩等の事故を起こしてはならない。そうした絶対的な安全性が求められるだけに、田中氏はこの「セキュアトレースサービス」に対し、将来的な協業も視野に入れるほど、大きな信頼を寄せている。
所属・役職等は取材当時のものです。
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