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エキスパートが語る
技術の最前線

AIとヤマトグループの運輸ネットワークが結びつけば、
空想の世界だった物流システムが実現する。

Y.I.経営学部卒/2007年入社
システム開発におけるトレンドは時代とともにめまぐるしく変化する。IT革命と呼ばれたインターネットの普及がネットワークを基盤としたシステム開発を促進したように、新技術の登場はシステム開発の新たな可能性を開く。これからのシステム開発はどう変化していくのか。そして、システム開発の最前線で活躍するエンジニアはどのような技術に注目しているのか。入社以来一貫してシステム開発に携わってきたエキスパートに聞いた。
CAREER SUMMARY
常駐SEから
スタート
START
常駐SEとしてキャリアをスタートし、運用・保守のリーダーやプロジェクトマネジメントを経験し、開発チームにアサインされるなど、プレーヤーとしての経験値を高める。

13年目で
スペシャリストに
NOW
9年目から本社オフィス勤務になり、グループ向けシステム開発を担う。その後12年目にはPMPを取得し、その翌年にはスペシャリストに昇進。

AI×ドローンが
実現する物流
FUTURE
AI技術とドローンを掛け合わせることで、ドライバー不足の解消を目指し、物流業界の未来をヤマトグループが変えていけるように最前線で尽力していく。

SEのキャリア
入社以来、これまでにどのようなシステム開発に
携わってこられたのでしょう?
システム開発の本質は課題解決です。得意とする分野はそれぞれのSIerで異なりますが、企業が抱える課題を解決するという目的は同じです。そのなかで私がヤマトシステム開発を選んだのは、ヤマトグループの物流ネットワークを利用することによって、他社とは違う価値を創出できると考えたからです。入社後、私のキャリアはお客さまオフィスで勤務する、いわゆる常駐SEとしてスタートしました。まず航空関連企業で航空貨物精算システムを構築。次に、国際線航空券予約Webサイトに関する運用・保守プロジェクトのリーダーとなり、プロジェクトマネジメントを経験しました。私がシステム開発の基礎を身につけたのはこの時期です。6年目にはWebサイトに関する開発の経験を買われて、食品関連企業の開発チームにアサインされ、ECサイトをパッケージ化して他企業に展開していくプロジェクトに携わりました。私が常駐SEの任を離れ、本社オフィス勤務となったのは入社9年目です。ここではヤマトグループ向け勤怠システムの改修プロジェクトでサブシステムのリーダーを務めたほか、ヤマトグループ向け人事評価支援システムなどの構築に携わり、現在はドライバー向けの業務端末リニューアル案件を担当しています。実装に向けて2021年からフィールドテストを重ねており、2022年から全国に展開する予定です。こうして振り返ると、ある案件で得た知識や経験を次のビジネスに活かしていく形で、業務範囲を広げてきたと実感します。年次とともに与えられる役割も変化し、今期からはプロジェクトマネジメントだけでなく、チーム全体の品質管理を担当するようになっています。また12年目にPMP(ProjectManagement Professional)を取得し、13年目にはスペシャリストに昇進しています。

注目の技術
これまで多くのシステム開発を
手がけてきた経験を踏まえ、
今後注目したい技術は何でしょうか。
やはり注目すべきはAIやディープラーニングでしょう。私は将棋が好きで、自宅のPCにはプロ棋士も利用するAIソフトをインストールしています。近年の将棋ソフトの進化ぶりを見ると、個人的にもAIの持つ高い可能性を感じています。
ヤマトグループとAIの相性も抜群です。例えば宅急便の配送ルート設定は、まだ経験に頼るところが大です。しかしヤマトグループに蓄積されたビッグデータからディープラーニングによって最適のルートを割り出せるようになれば、輸送効率は各段に向上し、ドライバーの労働環境改善にもつながるはずです。
また、以前、部屋の写真をスマホで送ると自動で引っ越しの見積もり金額を算出するシステムの構築を進めていたことがあり、画像認識も今後利用が進む技術のひとつだと感じています。これも大きく括るとAIですね。スマホで送られた画像を解析し、荷物の量や重さを推測する技術です。
他のチームが開発したものでは、ハウスクリーニング業者向けのアプリの仕組みも面白いと思いました。これは写真で現状および作業後確認を行い、電子サインによる決済確認まで済ませるというものです。このようにAIによる画像認識はシーンに応じたさまざまな利用方法が考えられるため、多くのシステム開発で利用されていくと予想しています。

技術の現在と未来
AIや画像認識などの最新技術は、
現在ヤマトシステム開発のシステム開発で
どのように利用されているのでしょう?
前述のハウスクリーニング業者向けアプリはすでにリリースされていますし、ヤマト運輸の物流拠点では、高品質で高効率の検品を実現する検品支援システムが稼働しています。これはAIによる画像認識技術で荷物サイズの検知をするものです。
しかし、AIによる宅急便の配送ルート設定については、まだまだ解決すべき課題が山積しているといっていいでしょう。ルート作成の手間や時間は減らせても、AIの作成したルートが絶対的に正しいと評価されるまでにはまだ時間がかかります。というのもルート設定には渋滞などの交通情報のほか、天気や荷物の種類、日時や近隣のイベント情報など、さまざまな要素を分析して判断する必要があるからです。そうした評価項目を正しく設定し、十分かつ正しい学習が進むまでは、ドライバー個々の経験則が勝るケースも起こり得ます。何を学習させるかも大きな問題ですし、どのようなシーンで、どのような性質の方が利用するかも明確にしたうえで設計する必要があります。少なくとも実際に利用する方へのヒアリングと認識合わせが重要です。AIを使う上では、まだ最終的には人によるチェックが必要な部分も多く、AIと人間のいいところをどのように組み合わせるかが当面の課題だと認識しています。
しかし、将来的には家の前に宅急便を置いておけば、ドローンが荷物を回収し、自動で料金を計算して電子決済してくれる。そして預かった荷物はAIが最適なルートを設定して自動配送するという未来が実現する可能性もあります。そうなれば慢性的なドライバー不足という運輸業界全体の問題も解決できます。これこそ運輸ネットワークを持つヤマトグループがめざす価値提供ではないでしょうか。

メッセージ
最後に、SEをめざす学生にヤマトシステム開発で
働く魅力を伝えてください。
私は高校生の頃に何かの雑誌で「SEとは多くの力を結集し、社会が抱える課題を解決する職業だ」と読んで以来、ずっとSE志望でした。当初は理系学部への進学を目指していましたが、物理が絶望的にできずに断念。システム寄りの学問が修められる経営学部を選択しました。その後、縁あってヤマトシステム開発に就職し、システム開発に携わる夢を叶えたわけですが、自らの経験からSEに文理は関係ないと断言します。SEという仕事は技術力も大事ですが、その技術を仕事で活かすためには人に伝える力など、技術以外の部分も重要です。システム開発は一人ではできません。SEはコミュニケーションや周囲の力を利用する能力が求められる仕事なのです。
とりわけヤマトシステム開発は教育研修体制がしっかりしているので未経験者でもしっかり一から学べます。学生時代からバリバリ技術志向の人はもちろん、入社してから技術に興味を持った人も力を伸ばしていく機会がたくさんあると思います。もちろん、大学で学んだ専門知識は無駄にはなりませんが、日々進化する技術を活用するには、生涯学び続ける必要があります。その不断の努力があれば、今やインフラとして認知されている宅急便とそれに関わる仕組みに対して、新しいサービスや効率的なやり方を生み出し、社会に貢献するチャンスがヤマトシステム開発には広がっています。