導入事例
導入事例
・コマース事業(ペットのドラッグストア「ペットビジョン(Petvision)」の運営、等)
・サービス事業(ペットソーシャル「ドッグゴー(doggo)」の運営、等)
・出荷業務の負荷を減らしたい
・出荷業務に関わる教育コストを減らしたい
・シンプルな物流システムを実現し、出荷効率が20%向上
・出荷業務担当者の教育負荷を軽減
ペットゴー株式会社様は、2004年の設立以来、動物病院の商材に強みを持つペット向けドラッグストア「ペットビジョン(Petvision)」の運営を行い、現在の会員数は約20万人。今後は品揃えをさらに増やし、特徴である動物病院商材に加え、健康なペットが使用するペット用品分野の強化を図っていく予定です。
ヤマトシステム開発株式会社(以下、YSD)が提供する「宅急便送り状発行業務支援システム スマートCat(イージー出荷)」(以下、「スマートCat」)の導入と活用について、ペットゴー株式会社、代表取締役CEO:黒澤弘氏、取締役CTO:小出文彦氏、コマース事業部 FFチーム 牛田洋子チームリーダー、同チーム 新居真貴氏にお話を伺いました。
ペットゴーは「ペット×ネット」の会社として、主にインターネットのペット向けドラッグストア「ペットビジョン(Petvision)」の運営を行っています。2004年の設立当初はペット用品がメインでしたが、後に動物病院の商材をメインとしたドラッグストアとしての展開にフォーカスし、現在では会員数20万人、アイテム数は約1万となっています。
動物病院の商材とは、ペット向けの医薬品、動物病院の食事療法食、サプリメント、薬用シャンプー等のケア用品の4分野が主力で、ペットの高齢化、室内飼育による生活習慣病、飼主の意識向上によるセルフメディケーションといったトレンドに対応しています。
今後は品揃えをさらに強化して、特徴である動物病院商材に加え、健康なペットが使用するペット用品分野を強化していきたいと考えています。また、強みを活かす部分では、現在、対応している医薬品は処方せんが要らないものですが、当社には医薬品販売に従事する「専門チーム」がいますので、処方せんが必要な医薬品に関しても対応していく予定です。
設立当初、通信販売に関するシステムは自社開発したものを使用していましたが、物流に関しては外部に委託していました。
しかし、お客さまにより早く商品をお届けするためには物流の強化が必要と考え、自社で物流倉庫を借り、物流システムを構築しました。この時にヤマト運輸株式会社の「e-cat2000」を導入しました。
「e-cat2000」では、まずピッキングリストを出力し、ピッカーが商品のピッキングを実施。続いて、ピッキングリストのバーコードをスキャンし、納品書、宅急便の送り状を出力していました。これは納品書の入れ間違いや送り状の貼り間違いを防ぐために考えたシステムで、しばらくはこの方法を取っていました。
幸いなことにお客さまのご支持で当社は成長を続けることができました。しかし、成長と同時に出荷ボリュームが大きくなると、このシステムに課題が出てきたんです。
ピッキング後に納品書と送り状を出力するためのラインを、当初はバックアップも兼ねて2ライン作りました。各ラインにはパソコンと納品書出力用プリンタ、送り状出力用プリンタを配置していました。しかし、出荷ボリュームが増えると、この納品書と送り状の出力がボトルネックになってきたのです。
そこで、3ライン、4ラインとラインを増設したのですが、そのために本来ならば出荷業務を行うためのスペースをつぶすかたちになってしまいました。1ライン当りの増設コストもかかりますし、プリンタは短いと半年で交換の必要が出てきます。また、スタッフのパソコンスキルはまちまちですから、各ラインに1人ずつ人を配置する必要もあり、何とかしたいと考えYSDに相談をしました。
当時のシステムは出荷ボリュームが増える度に、パソコン、プリンタを倉庫内に増設し、そのための人員が必要になり、さらに教育コストも増える状況でした。また、4ラインあれば週1回は何らかのトラブルが起きますから、トラブル対応の負荷もかかっていたのです。
そこで「物流倉庫内にシステムを持ち込まない、誰でもわかるような物流の仕組みにしないといけない」と考えたのです。ですから「スマートCat」ありきではなく、物流システムをシンプルにしたい、という相談をさせていただきました。2012年の春頃のことです。
一つの方法として、当社のシステムから出荷指示データを取り込み、納品書等の帳票・宅急便の送り状が一体となった伝票を発行する「スマートCat」の提案を受けました。「e-cat2000」では、事務所側にはピッキングリスト出力用のプリンタ、倉庫側では納品書・送り状出力用プリンタが必要でした。これを「スマートCat」を利用することで、事務所側のプリンタから一体型伝票を発行できるようにし、物流倉庫での伝票出力を無くそうという提案です。
他のベンダーについては、もちろん検討しました。ただ、ヤマト運輸との出荷オペレーションをどうやって最適化させるかを考えると、YSDが最適だと考えました。宅急便の送り状発行システムではYSDが不可欠ですし、当社独自のシステムと送り状発行システムの間に他社をいれると、システム的に複雑になるだけです。YSDとは良いコミュニケーションが取れていましたので、あえて変える必要は感じませんでした。
また、宅配会社そのものを変更してしまうという選択肢もあります。しかし当社ではお客さまに定期的にアンケート調査を行っており、その結果として大多数のお客さまはヤマト運輸への信頼度がとても高く、変更する必要は今のところないと考えています。
一体型伝票が出力ができるとなると、こちらも他の要望が出てきました。まず、当社では、発払い・コレクト・メール便と使っていますが、今までは別々の用紙だったものを一種類に統一したいと考えました。同時に、商品とは別に郵送していたコンビニの払込用紙も一体型伝票に組み込みたいと考えました。
これにより、オペレーションをシンプルにして、ミスの防止、教育の負荷軽減を狙いました。
また、ユーザーインターフェイスをできるだけシンプルにしてボタンを無くしました。毎日定刻に行っていた処理については、決められた時間で自動的に動作するカスタマイズを行ってもらいました。
また、システム開発にあたってはシステム部門のメンバーだけてなく、物流部門のメンバーにもプロジェクトに参加させてもらうことで、物流の現場でより使いやすく、教育負担も軽減されるシステム、伝票設計を目指しました。
1. シンプルな物流システムを実現
以前は3枚の用紙を必要としていた物流業務を、1枚の一体型伝票でピッキングから発送までを行えるようになり、物流の現場でシステムに触れることはほとんどなくなりました。
2. 郵送コスト削減とカスタマーサポートへの問い合わせ減少
コンビニの払込伝票を納品書に組み込むことで、今まで別送していた郵送コストが年間で約1,000万円削減できました。
また導入前は、コンビニの払込伝票が商品と同梱されていないことでの問い合わせがかなりありましたが、導入後にはなくなりましたのでカスタマーサポートの負担も軽減されています。
3. 発送のリードタイム、出荷効率が20%向上
発送のリードタイムは、導入前は0.9日~1日でしたが、「スマートCat」導入後は0.7日に短縮され、約20%の効率化が図れました。
また、導入前と比較して、1日あたり、1人当たりなどの出荷量も約20%向上しています。
4. 教育負担の軽減とスタッフのシフトへの対応が容易
以前は送り状の種類によるオペレーションの違い等、最低限知っておいて欲しいことが何項目もありましたが、現在は簡単なオリエンテーションで物流の現場に入っていただけるようになりました。
1. 20%の物流の効率化
2. 郵送コスト年間1000万円の削減
この2点が大きいと思います。もちろん、倉庫側で納品書・送り状を発行することがほとんどなくなったため、倉庫内の最適配置が進めやすくなりましたし、教育負担が軽減されたこともメリットとしてあげられます。
また、物流スタッフがシステム開発に携わることで、当社の実績やノウハウが反映された伝票設計ができたこと、それに柔軟に対応していただけたことも評価しています。
リードタイムが0.7日になりましたが、今後は当日配送など、更なる効率化に取り組んでいきたいと考えています。当社が独自に保有するお客さまのペット情報などを活用した展開も計画して行きたいですね。また、YSDはさまざまなサービスをお持ちだと思いますので、新たなサービスや提案にも期待しています。
当社営業担当 菅野